2008年11月06日

コーヒーもダメだなんて、パラディンは一体何を飲むのだ

 
 根無し草の放浪ゲーマーになるにはなるだけの生活があるものでして、明日から朝イチで西国行きです。そろそろノートパソコンも欲しいなと思ってる今日この頃です。

 前から興味があった『コーヒーが廻り世界史が廻る』(臼井隆一郎著、中公新書)を書店で見つけたので購入。アラビアのスーフィズムから始まり、コーヒーがいかに欧州市民社会形成に影響を与えてきたかを軽妙に語った面白い小説……っぽい文化史の本です。

 TRPG者としてこの本を読むと、なるほどコーヒーの存在1つでファンタジーの世界が1つ崩れるなと感じます。例えば英国にコーヒーハウスが登場したのはピューリタン革命の頃…。謹厳な清教徒たちはそれまでの飲んだくれな英国人気質を批判し、新たな活動の場として出来たばかりのコーヒーハウスに入り浸るようになります。
 そこでコーヒーは知性を活性化させる飲料として好まれ、コーヒーハウスは人々が活発に談話をする場になり、近代市民社会を生み出す土壌となっていきました。やがてコーヒーハウスは情報を求める商人たちの拠点となり、その中からロイズ保険の創始者であるエドワード・ロイドが出てきました。彼はコーヒーハウスの店主から、貿易船舶に掛かる保険をリストアップした新聞を出して成功しました。

 詳しくは本を読んでもらうとして、もしファンタジー世界にコーヒーが登場していたら、いずれは英国のようにコーヒーハウスに商人などの醒めた活動がしたい民衆が集まり、RPGでよくある「酒場での依頼」もコーヒーハウスで行うようになるかもしれません。

 さて、なぜ忙しい中こんなこぼれ話を書いてるかと云うと、『D&D』3.0版のサプリメント、『高貴なる行いの書』にある特技の中で、《禁酒の誓い》というのがあるのですよ。これは毒や麻薬に対する頑健セーブにプラス修正がつくというものなんですけど…、

 君はアルコール飲料、麻薬、カフェインを絶つという、清浄なる誓いを立てた(斜線部引用)

 …と、コーヒーやお茶、アメリカ人が好きなコーラすら飲めなくなるいかにもアメリカ人らしい発想の特技なのです。
 では一部の高貴なるパラディンは《禁酒の誓い》を立ててコーヒーすら飲めないとします。このパラディンは依頼を受ける席で一体どういう飲物を注文するのでしょうか…。
 多分アメリカ人の考えることと云えば…、

DM「…そんなわけで、君たちは酒場で商人の娘から依頼を…」
●「いや、ちょっと若い娘さんが酒場に行くのは危険じゃない?」
▲「そうだな。ウチのパーティにはパラディンもいるし、ここは喫茶店に席を移そう」
●「喫茶店なんかファンタジーにあったっけ?」
▲「トーチ・ポート(『D&D』日本版オリジナル設定の街)には甘味屋があるんだから、喫茶店あってもいいだろ」

DM「それでは場所は喫茶店…」
●「店のマスターにコーヒーを注文するよ」
パ「あいや待たれよ。拙者は《禁酒の誓い》を立てていてな…。酒はおろかカフェイン飲料も禁物なのだよ」
▲「んじゃ、何飲めばいいのかい?」

パ「そうだな…、
  オレンジジュースを1杯いただこうか…

ラベル:TRPG D&D
posted by 回転翼 at 09:01 | TrackBack(1) | TRPG雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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