2009年08月06日

銃の時代の戦士 〜TRPGにおける「初心者は戦士」の鉄則への疑問〜

 もうじきコミケです。
 今年も非電源に行きたいのですが、2日目でしょ?
 コミケは朝並んで10時からたっぷり楽しむのがいいんですけど、2日目ってあの東方があるんですよね。前回、それと知らずに電車乗ったら初日よりも人が多い上に、明らかに危険なのがワンサカいて心底嫌になってるんです。
 つーか、改札脇の鉄柵乗り越えるのは引いたというより、止めろ。

 今日はファンタジーTRPGにおける戦士=初心者向けという通例への疑問を投げかけてみます。

◆◆◆

 ファンタジーTRPGでは「初心者は戦士を選ばせろ」というのがセオリーとされてきました。魔法使いや僧侶など、ゲーム中にデータを駆使するクラスは初心者の事務処理速度ではプレイに支障をきたし、盗賊などの技巧クラスをプレイさせるには機転がきかない…。しかるに、武器と防具を与えれば後は攻撃の一手で済む戦士が一番簡単である……というのが、従来の論点でした。

 でも、昨今のTRPGを見れば『D&D 4th』にしろ『アリアンロッドRPG』にしろ、『ソード・ワールドRPG2.0』にしろ、「戦士=初心者向け」というセオリーはもう時代遅れの認識かと思えてきます。

 なぜなら、初心者に戦士を推す理由は、

1:キャラメイクにおいて取捨選択するデータが面倒でないこと
2:プレイ時に管理するリソースの管理が面倒でないこと

 という2点にありますが、この3作品を含めた昨今のTRPGでは戦士系がデータの選択やリソースの管理において格段に面倒かつシビアになっているからなのです。

 今や多くのTRPGで技能および特技に類する、かつてスペルキャスター(呪文などの特殊データを使えるクラス全般)のみが扱っていた特殊データをどのクラスでも扱えるようにしています。

 とみに戦士系の技能、特技は戦闘における数値修正およびダメージ量のみに集約される……要は「いかに攻撃力、命中確率を上げて大ダメージを与えるか」、「いかに防御力、回避確率を上げてダメージを防ぐか」という目的に絞られてデザインされますし、遊ぶ側もその一点に集中してキャラメイクをします。
 
 まこと、戦士とは武器と防具の機能こそが存在意義の全て。

 従って、きちんと数値を計算し尽くして最善手を打ったキャラと、数値の見立てをせずに設計したキャラとではキャラの性能が段違いになります。
 これが攻撃魔法から幻術、占術まで存在意義が幅広い魔法使いや僧侶なら、攻撃魔法特化とか占術専門とか、活躍の場面が一様でないだけに最善手は一概に決められない所があります。すなわち、どこかで「使える」要素があり、優劣の物差しでは計れないってことです。
 ところが、戦士は「敵にダメージを与える」「敵のダメージを防ぐ」にデザイン、プレイともに目的が集約されてますから、データの選択には自ずと最善手が生まれ、選択の巧拙が生じるのです。

 要するに、技能・特技が搭載された昨今のTRPGでは、役割が単純な戦士系はデータの選択がシビアなのです。算数が得意でないと昨今の戦士は務まらないのです。
 
 さらに戦闘特技にMPの消費など使用回数制限を設けるTRPGもあり(上記3作品にはある)、かつて戦士がただ攻撃の一手で済んでいた理由である「リソース(管理資源)を気にしなくていい」という時代は終わりました。戦士も他のクラス同様、リソースの管理を義務づけられたのです。
 
 武器は剣のままだが、使用回数制限によってTRPGの戦闘は剣の時代から銃の時代に進化したのです。戦士は常に弾丸の残量を気にしながら戦う必要に迫られているのです。
 戦闘において弾丸は打ち止めもダメですが、出し惜しみという選択もただダメージを受ける機会を増やすだけでダメ。しかも常に前線に立つので攻撃の判断は毎ターン求められ、後方で好きに戦機を窺える他のクラスと比べて、リソースの管理がより頻繁に発生します。

 銃の時代になった昨今のTRPGでは、戦士は全クラスの中でもリソースの管理が頻繁になり、事務管理能力が未熟な初心者には高負担のクラスになったのです。

◆◆◆

 データの選択がシビアになったこと、頻繁な事務管理が要求されることなど、銃の時代に生まれたTRPGでは戦士は資源管理、状況把握、取捨選択に精通した熟練者向けのクラスとなっていますし、役割が単純なだけに上手い下手の差が如実に現れてしまいます。

 こんな時代で初心者に戦士を任せようなら、先輩の指図を受けまくった、自分で考えたのはそれこそ名前だけというお仕着せのキャラメイクをする。戦闘ではどう特技を打てばいいのか分からずに毎ターンまごつく。自分のキャラを操作するのに忙殺されているからパーティ全体に目が行き続かず、気がつけばHPが激減していたりする……。

 要するに、初心者を役立たずにしてしまうってことです。

 TRPGの熟練者はいずれもアドバイス大好きですから、初心者が役に立てなくてまごつくのを喜ぶ人もいることでしょう。だが、どうしていいのか分からずにまごつき、1から10まで先輩のアドバイスに従ったセッションをした初心者がTRPGについて評価することなどできるでしょうか。

 そして、「よく分からなかった」「狐につつまれた」「実感が湧かなかった」という感想を抱いた初心者が取る行動など、愛想笑いで誤魔化して2度と近づかなくなるに決まっています。

 初心者がプレイを継続するようモチベーションを維持させるのに必要なのは、熟練者の親切心などではなく、初心者自身のゲームへの実感に他なりません。初心者自身が自分の行動によってゲームを動かした、役に立ったという実感を与えなければ、そのゲームは「プレイ」ではなく「ガイダンス」に堕してしまうのです。

 かつての初心者は戦士の時代においては、データ選択、リソース管理という役目を免除、軽減されるという「思考しなくてよい」という意味で「簡単」が用意されていました。思考しなくても、ダイス1つで実感の湧くプレイは出来たのです。
 だが、誰もがデータ選択、リソース管理を求められる銃の時代のTRPGにおいては、その役目を免除、軽減できるという方向で初心者向けという事態は存在しません。

 本記事で戦士を熟練者向けとした理由は「データ選択がシビアであること」、「リソース管理に余裕がないこと」です。ならば初心者に向いているクラスは「データ選択に多様性があること」、「リソース管理に余裕を持てること」が条件だと僕は考えています。
 そう考えると、僧侶や吟遊詩人などの支援・援助系キャラが今の時代には初心者向けなのではないでしょうか。
 
タグ:TRPG
posted by 回転翼 at 09:01 | TrackBack(1) | TRPG雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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