2006年04月26日

萌えない者の辛苦 〜萌えTRPG、パチモンPCとの付き合い〜

 鴎の行くままに 〜とあるTRPG者の呟き〜さんトコはTRPGだけではなくアニメ感想もやってますけど、僕なんか最近はアニメをじっくり見る機会もなく、アニメキャプ系Blogで情報を補っていたりします。

 週20作以上は録画している僕ですけど、その中で実際観ているのはARIA THE NATJRAL、スクールランブル2学期、涼宮ハルヒの憂鬱、桜蘭高校ホスト部、Fate/stay nightにBLACK LAGOONってとこです。この中でスクラン、桜蘭、ハルヒは純粋に面白いからで、ARIAとLAGOONはTRPGの好みに重ね合わせて「こうこう世界好きだなぁ」という理由から。Fateに至ってはヲタク業界の一般常識の勉強の意味で。

 ウチのBlogはTRPGで成り立っているので、この中でTRPG向けのアニメはないのかちょっと検討しますね。ただ、僕は安易な原作物TRPGについてはマギウスへの失望もあり批判的です。いいアニメであっても、TRPGの水には合わない作品もあり、そういうのはアニメのままでいてくれってことです。

 僕が考えるに、TRPGに向かないアニメは「登場人物の配役設定・個性で成り立っているアニメ」ではないでしょうか。登場人物のスター性、アイドル性や、そんな登場人物が織り成すドラマの役回りに売りがあるアニメってことです。

 TRPGで忘れてはならないのは、すべての登場人物を第三者(すなわち遊び手)の演出に委ねているということです。例えばFateをTRPG化しても、ゲーム中にセイバーが出たとして、彼女の台詞や行動はすべて彼女を請け負った遊び手が即興で演じるものであって、TYPE-MOONが新しくイラストや設定を回すこともなければ、川澄綾子さんがアフレコに来てくれることもありません。

 また、TRPGはGMが設定を基に独自に作り出したシナリオを使用するのが常です。ほとんどすべてのシナリオが、原作の展開とは異なるパラドックスを発生させます。遠坂凛が敵役に回るかもしれませんし、衛宮士郎のサーバントがセイバーでないかも知れません。
 そして、これがTRPGでは一番起こり得る状況ですけど、プレイヤーが独自に創作した、TYPE-MOONからすれば完全に非公式のオリジナルキャラたちよる聖杯戦争が繰り広げられることだってあるのです。

 要するに、キャラクターの原作設定を完全にTRPGで再現することは無理だってことです。原作好きにとっては劣化コピー以下の行為であり、タチの悪い便乗商売にしか見えません。
 だが、それでもなお、そうした登場人物の個性で成り立っているアニメや小説をTRPGにしようと考える人はよく見受けられます。
 ライトノベルや漫画、アニメなどのストーリーメディアに絶えずアプローチをかけているTRPG業界には独創性はないもののパスティシュ、オマージュ程度なら想像力が湧く二次創作志向の人が多くいます。彼彼女は自分の好きな漫画やアニメに影響されると「僕もあのキャラのように、あんな活躍がしたいな」と憧憬を物語世界に投影する思考が見についています。
 
 一般に腐女子と呼ばれる、ボーイズラブ系物語に影響されたがばかりに、男が2人(片方乃至双方が美形なら)いる光景を見たならば、彼ら2人は同性愛者であり、崇高な睦み合いをしているものだと勝手に妄想するのと似たように、「かぶれ」から来る一種の妄想です。

 同人の原作物TRPGの中には、「原作を知らない人にどう楽しんでもらおうか」という視点がまったくなく、その萌えキャラが専用に作れるキャラクター作成と寄せ集めの戦闘システムや技能一覧を載せただけという「萌え」の集大成的なTRPGもあります。
 そうしたゲームは、プレイするたびに原作を読み直して「萌え」を蓄積しないことにはなんら面白みがありません。もちろん、原作への愛情を原動力にしているデザイナー側としてはそれは「義務」なのでしょう。

 僕は過去に何度も『リングドリーム』に厳しい批評をしてきましたが、それは女子プロファンと非女子プロファンとの間にある「温度差」を埋めることに難儀したからです。女子プロファンは単に女子プロの試合のみならず、例えば『プロレス少女伝説』(井田 真木子著、文春文庫)などで表現されている女子プロの世界、あるいはもっと単純にコンプRPGのリプレイに触発されて、スポ根物TRPGとして捉えていたフシがありました。
 だが、同時期に『武神降臨』もやっていた時期ですし、非女子プロファンのゲーマーにはそんなスポ根の世界には付き合ってもらえず、試合も高ダメージの技にCPを集中させる、勝つことのみで作ったキャラでプロレスとしてとてもしょっぱい試合ばかりされて、それでやり気なくしてしまいました。
 それが僕の周辺だけならいいけど、コンプRPGのリプレイがあろうことに対戦格闘ゲーム化してましたからねぇ……あれに比べればまだ藤澤さなえ女史の方が上手ですよ。

 ちなみに、『プロレス少女伝説』は僕がGMする際に薦めていた本です。
 結構、『レッスルエンジェルス』(昔の美少女物ADV)が好きでリンドリに興味持った人ってのもいましてね。活字でも知ってもらいたかったんです。

 ともかく、僕はFateのTRPGなんか用意されて、セイバーをやらされ、しかも原作の雰囲気を再現するべくなりきり演技を要求されるなんて事態が発生したら逃げます。
 だけどTRPGに限らず、そうしたパチモンPCになりきることによって、そのキャラへの愛情を表現するゲーマーもいますからねぇ。僕は昔、『ラグナロクオンライン』やってましたけど、とあるギャルゲーのキャラになりきってネットアイドルならぬオンラインゲーアイドルを気取っていた人もいましたよ。
 
 オンラインゲーなら精々見かけた人が頭抱えるだけで済みます。
 メールゲームなら読者が頭抱えるだけで済みます。
 TRPGだと萌えてるご本人が目の前にいて、何時間も彼の萌えっぷりに付き合う必要があるんですから難儀です。彼自身の暴走もさることなら、他の人がキレないようなだめることもしなきゃなりません。
 イタい思いどころか、肉体的に痛い思い(何度もグチ云ってるけど、対戦格闘ゲームにハマったゲーマーたちの見よう見まね格闘技のえじきになって負傷した経験あります)した僕としては……、

 もうちょっと醒めた所からTRPGの面白さを考えましょう……。

 と、つぶやくしかありません。

 そんなわけで、FateはTRPG向きとは思っていません。
 スクランや桜蘭も然り。楽しい、楽しくないとかいう以前に恥ずかしくてプレイできませんよ。

 では涼宮ハルヒもまた向かないかと問われれば、なりきり演技を要求するだけの萌えTRPGから一歩離れて、TRPG本来の楽しさの観点から考えれば結構面白いアイディアが浮かんだので、これは別の機会としましょう。
 
posted by 回転翼 at 09:01 | TrackBack(1) | TRPG雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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アニメキャラのマネをすると、変なヤツだと思われる
Excerpt: 萌えない者の辛苦 〜萌えTRPG、パチモンPCとの付き合い〜 ↑アニメキャラを真似たPCは、熱心なファンでないと見て苦痛、という内容(を含む)。 私はアニメを観ない人なので、アニメ??
Weblog: 酔虎の博客
Tracked: 2006-05-04 01:00
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