2007年03月06日

ビターな味を楽しませるには 〜TRPGの鬱展開〜 その1

 最近、『アルシャード・ガイア』の原点にはアリスソフトがあるのではないかと勝手に考え、『夜が来る!』と『Only You −リ・クルス−』を再プレイ。そのせいでBlogをサボってました。
 
 つーか、『Only You』(98版)は20歳前後ん時プレイしたから結構TRPGでシナリオ作る際の原点になってます。当時は『サイバーパンク2.0.2.0』も嗜んでいたので、アリスソフトの容赦ない鬱展開はとても参考になりました。
 あと、『遺作』とか鬼畜なのも。

 それというのも、命懸けの偉業を達成するために自己犠牲や高い代償を厭わない姿勢を貫く(2.0.2.0の言葉では「エッジを極める」)のがサイバーパンクの流儀なれば、GMたるもの高い代償について具体的に提示できる必要があります。
 金にも名誉にもならない偉業などはどこのゲームにもあります。エッジを極める2.0.2.0の世界では、「金にも名誉にもならない」ということは、自身はおろか恋人の臓器まで抵当に入るほどの莫大な借金を負い、村八分にあうほどの不名誉をかぶることを意味します。ビデオゲームの王者になるために恋人も友人も失った『ドッグファイト』のように。

 サイバーパンクTRPGはサイバーウェアによって増強が気軽に出来るゲームだから、『ロボクラッシュ』(昔、コンプティーク誌にて催された読者参加ゲーム)みたいなロボットバトルになってしまう傾向ってのがありました。
 2.0.2.0の場合、サイバーウェアの通貨に伴いEMP(エンパシー。人間性の意)の数値が低下して、PCが徐々にモンスターと化していく仕組みです。けど、現在と違って2.0.2.0が出た当時はロールプレイに制限がかけられることについて自覚的なプレイヤーはまだ少数であり、多くの人はただ戦闘でやられるのはご免だからと、無自覚にPCを戦闘マシーンにしていました。
 あまりに「代償」に対して無関心なんですよね。

 考えてみれば、従来のTRPG、例えば『D&D』ではゲームの成否はゲーム目標を達成して経験値を得るか、パーティが全滅して経験値獲得の機会を失うかの、クリアかゲームオーバーのどちからしかありませんでした。それは物語調のシナリオがついた『ソードワールド』の時代においても変わらず、AVGを基にしたシナリオをクリアするか、戦闘に負けてゲームオーバーになるかのどちかに、謎解きが分からずそのまま試合放棄するという「詰み」が加わった程度です。
 クリアかゲームオーバーかしかない世界では過程で払った代償は綺麗に流されます。「終わりよければすべてよし」なわけで、瀕死の重傷を負っても、莫大な借金を負っても、恋人が死んでも無問題になります。あるいは、恋人のためにPCが死ぬことに何の意味もなくなります。恋人を見殺しにしても生きて経験値を得ることがゲーム目標ならば、誰でも恋人を見捨てます。

 クリアでもゲームオーバーでも詰みでもない。大きな犠牲と不本意な評価……、それでも自分の中で何か達成感があるというサイバーパンクらしいビターエンドを表現するには従来のTRPGにはないコツを編み出す必要があったのです。

 そのコツに関しては次回にて。

 ちなみに、『アルシャード・ガイア』で鬱展開アリにするのは僕のスタイルであって誰もがするべきことではないです。
 
posted by 回転翼 at 17:07 | TrackBack(0) | TRPG雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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