これは1人のゲーマーがポツネンと立っている状態では至極簡単です。
「自分、今日よりTRPGの上級者ですっ」
これでいいんです。
だって免許も資格も段位もないですし。
自分が初心者か上級者かなんて悩んでいる人は、とりあえず上級者名乗るがよし。
もちろん、それで何かが貰えることはありません。何よりも、私は上級者ですって名乗った所で攻撃判定もセービングスローも良くなりません。いわんや、ダイスの神様は微笑んでくれません。
そして重大なことですけど、プロのデザイナーがお褒めの言葉をかけ、テストプレイに誘ってくれるようなことはまずありません。自宅に隕石が直撃する方がまだ確率あると思っていいです。
とどのつまり、初心者だの上級者だのという垣根は単体のゲーマーには毒にも薬にもならない代物です。
ではなんで、こんな階級に気を揉む人が多いのかと言えば、サークルという縦社会のヒエラルキーで使用される言葉だからです。ボス、中ボス、ザコの呼び名が上級者、中級者、初心者と変わっているだけです。
今日の『うがつもの』は、自分はどのような見方で初心者と上級者を区分していたかということとか、僕が過去にしていた「初心者卓」という悪行を告白する話とかです。
昨日一晩では書ききれませんでしたので、こんな時刻にコピペ。
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ここで僕個人の経験を。
僕が高校時代に所属していたサークルは、代表の人が4〜5人の『D&D』仲間に呼びかけて設立したものです。それに設立前から懇意にしていた別卓の4〜5人を引き抜き、それで公民館を借りるだけの人数が揃いました。このメンツがいわゆる幹部クラスです。
それで公民館を借りれたことから、外部に向けてメンバーを募集することにしました。
まずは幹部メンバーが学校の後輩など縁故のあるのを徴募しはじめます。ここで応じたメンバーは毎度参加することは怪しいけど、とりあえず例会ともなれば合計3卓が成立する程度の人数が見込まれる準常連と言えます。
当時の僕もここに属していました。
さらにコンベンションの告知をすることで、近隣のサークルを持つ力のない個人ゲーマーとか、ライトノベルファンでTRPGに魅力を感じているお坊ちゃまお嬢さまを招き入れます。この層はTRPGの経験はさほど多くなく、リピーターになるかどうかは怪しい層です。
さて、TRPGといえば雑誌連載のリプレイしかしらない若き初心者は、サークルで目にする幹部クラスの装備ぶりに目を瞠ります。彼ら幹部衆はせいぜい『ソードワールド』しか手にしたことが人たちの前に、おもむろにボックス型TRPGを積み、フロアタイルを敷き詰めて沢山のメタルフィギィアを取り出すのです。洋書を用意する者、ウォーゲームを脇に置く者もいます。次に必殺兵器として三種の神器……自家翻訳のマニュアルと付箋で膨らんだ海外版ルルブ、それに自家製のカスタマイズ済みキャラクターシート……を用意します。
外来の人にとって、これ以上の威嚇手段はありません。
そして、とどめとばかりに身内だけでキャンペーンを始めるのです。
これでこのサークルの「格」はほぼ定まったといっていいでしょう。
多くの外来の人は、この威容な集団を上級者として畏れだし、準会員クラスは自分たちはサークルの中心にいないことに疎外感を感じます。彼らが従順な取り巻きとなって幹部クラスから教えを乞おうと詰め寄るのにはそう長い時間がかかりませんでした。
……これが僕が理解する所の、上級者を生むメカニズムです。
初心者たちの中から上級者が生まれるのではなく、まず装備の貧弱な連中を呼び集めて、彼らに格の違いを見せつけて、彼らの中から自然に「上級者」への畏敬の念を起こさせるという仕組みでした。
実際、この幹部衆は自分たちが拠ってゲームしたいがために集まった集団ですし、サークルで上司面したいけど、初心者の養育まではしたくないというクソ野郎です。
では外来の人たちには誰が応対していたかと言えば、僕を含めた準会員でした。
『出されたTRPGは残さず食べましょう 〜GMの品揃えと予備卓の大変さ〜』で言及しましたが、僕はよく予備卓のGMを任されたもんですけど、言い方を変えれば、僕の役目は外来者を幹部卓に近づけないために用意された隔離卓でした。僕やSW卓のGMはそのための方便として初心者卓を名乗っていました。
初心者向け卓って言葉はとても便利で、こう名乗る卓が1つあればサークルの水に馴染んでいない外来者はかなりの確率で引き込めます。もちろん、僕らの周りでは初心者卓とは隔離卓に他ならないものでしたけど。
僕がいたサークルでは、幹部衆が安心してキャンペーンを続けられるよう外来者を隔離卓に誘導していたことになります。もちろん、隔離目的の卓ですから1から初心者を養育するようなことはしません。ちょっとヒロイックで甘めのシナリオで「まぁ、とりあえず満足していただこう」という程度のプレイしかしません。
つーか、準会員にはその程度のことしかできません。
今更ながら、隔離卓に回されて1回ポッキリを想定したセッションをやらされたプレイヤーの方々には、本当にすまないと思ってます。せめてリタイアしてないことを祈るのみです。
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……とまぁ、こんな経歴の身ですので、初心者上級者の区分に経験とか技術とかは関係ないと思ってます。つーか、免許も段位もない世界でいったい誰が何の基準をもってそんな技術やら経験やらを測定できるんですか。誰もそんなもん計っていやしません。
TRPGで上級者ったらサークルでの偉さの格を示すものです。
そして、初心者とは「サークルの水に馴染んでいないよそ者」って意味です。
TRPGの経験などいくらでも詐称がききますし、技術などさほど表沙汰になるものではありません。しかし、サークルのヒエラルキーは目に見えるものです。それでTRPGの上達に必要なこととして、経験や技術の鍛錬以上にサークルの水に馴染む組織人の智恵が要求されることになります。
せっせと幹部衆に取り入って彼らの話の輪に加わり、やがて彼らのキャンペーンに入らせてもらえればとりあえずサークルで上級者を名乗れます。
バカバカしいとお思いでしょうけど、その取り入るための知識ってのもTRPGの知識はもちろんのこと、TRPGヲタク3種の神器……ハヤカワ、ガンダム、ミリタリーなどの受けのいい話題に対する知識なども研鑽しなければならない。僕の時期はエヴァの時期でしたから、TRPGゲーマーも狂ったようにエヴァ論議に花を咲かせていましたし、もぅ……。
……。
ああ、もうこんなの「ぶっちゃけ」論でしかないじゃないか。
第一この「ぶっちゃけ」なんて言葉嫌いなんですよ。ちょっと斜に構えたブロガーが好んで使う表現だけど、言いだしっぺは岡村隆史だそうじゃないですか。「ヤバい」ってのも出川哲郎のを使いまわしてるんでしょ?
お笑い芸人の言葉遣いに毒されるなんてまぁ、笑えない。
以上、この前卓上RPG研究会で「これ以上ひどい話は書けないんじゃないか」と暗に「丸くなった」と言われたことに対する返答です。
◆2008.3/17
誤字、LINKミス訂正






